広告代理店で2年半で部長に昇格した自分が事業会社に転職したワケ

アイキャッチ 転職

僕は元々広告代理店に3年在籍して事業会社へ転職しました。

代理店時代は部長という役職や年収も前職に比べて2倍近く上がり、得られた経験だけでなく待遇面でも本当に感謝しています。

ただ、僕は転職を決意しました。

この記事では、なぜ順風満帆なキャリアを捨ててまで事業会社に転職したのかその背景について書いています。

今代理店側で仕事をされている方にとって何かしら参考になればと思います。

これまでの経歴

勤めていた広告代理店には3年間在籍していました。広告代理店と言っても設立10年手前のベンチャー企業です。

ざっくりとした経歴は以下の通りです。

①1年と2か月経った時に課長に昇格

②表彰式で通年全社MVPを獲得

③2年半で部長に昇格

業務内容はざっくり言うと、アフィリエイトモデルのメディア運営です。ジャンルは主に金融と美容医療でした。

サイトを立ち上げて、WEB集客してユーザーを集め、カードローン・クレカ・脱毛・AGAといった商品の広告を貼り、ユーザーが申込すれば成果報酬として広告主からお金をいただける形です。

媒体ごとに担当が分かれており、2年間は主にSEOを担当していました。

そして最後の1年はGリスを担当していました。Gリスは社内でも初めての挑戦だったので立ち上げから責任者として従事していました。

代理店で感じていた課題感

1年で課長に昇格して、2年半で部長に昇格。給料も前職の2倍に上がったので順風満帆なキャリアのように思えます。

ただ僕としては、2年目経ったころからこのキャリアを進むことに危機感を感じるようになってきました

具体的には以下のような感覚です。

  • WEBマーケターとして出来ることがプロモーション領域に限定される
  • 自社サービスを作る力がないと会社/事業の成長曲線に限界が来る
  • 広告運用者としてコミットできる範囲に代理店では限界がある

①WEBマーケターとして出来ることがプロモーション領域に限定される

一番の危機感は、個人の経験やスキルが、SEOやGリスの運用というかなり限定的な領域になってしまうことでした。

運用に至るまでのざっくりとした業務の上流/下流は以下の通りだと思います。

MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)

事業戦略

WEBマーケティング戦略

WEBプロモーション戦略

広告運用|SEO|SNSなど

僕はこの中で言う一番下の運用に特化していた訳です。

ただ2年経ったタイミングで、運用の成果は媒体ハックも大切なのですがそもそものプロモーション戦略やより上位のWEBマーケ戦略・事業戦略の要素で決まる比重の方が高いと感じるようになりました。

戦略(事業・WEBマーケ全体戦略)のミスは戦術(運用)では取り返せないと良く言われますが、本当にその通りだと思います。

だからこそSEOやGリス運用のスペシャリストとしてキャリアを進むことが、自分の市場価値を高める正解か分からなくなっていました。

またスペシャリストという観点だと、僕より圧倒的に知識や経験のある先人がたくさんいる訳なので、その方々に勝てる自信は全くありませんでした。

運用に特定するよりかは、様々なWEBマーケ業務を経験し現場の知見を貯めジェネラリストとなり、より上位概念の事業/WEBマーケ/プロモーションの全体戦略を考える力をつけていきたい。

2年半で部長まで昇格しましたが、僕はそのように決断しました。

さらに僕自身20代中盤の年齢だったこともあり、このままいると余計動きづらくなると思っていたことが、動ける今の内により上位の領域にチャレンジしたい想いを後押ししました。

②自社サービスを作る力がないと事業成長に限界がある

代理店にいる方々は一度は感じたと思いますが、僕自身もやはり自社サービスがないと自力で売上を作れず限界があると感じてました。

そう思うに至ったのは、各クライアントのLTV重視の流れが来たことが一番の要因です。

代理店ビジネスは、良くも悪くもクライアントありきのビジネスなので、クライアントの景気や意向に左右されてしまいます。

丁度1~2年前まではWEB広告への投資が盛んだったのでした。

ただLTV観点で見ると採算が合っていないと判断し、広告費を大幅削減するクライアントがこの1年でかなり増えたように感じます。

実際に金融・美容といった市場規模の高いジャンルのクライアントの決算を見ると、軒並み広告費を削減しています。さらにここ数年で各社でインハウス化の動きも加速しています。

また代理店は予算=売上なので、クライアントから予算をいただけないとプロモーション活動(売上を作る)ができない状況にも閉塞感がありました。

  • LTV観点での採算が合わず広告費予算の削減
  • クライアントの予算なしには動けない

この2点から「代理店として売上を伸ばし続けることには限界がある…」と感じました。

自社サービスとして事業を作り、予算ありきで考えるのではなく、そもそもプロモーションに縛られず事業を伸ばすには何が必要なのか考え実行する経験を積みたいと思うようになりました。

③広告運用者として事業成長にコミットできる範囲に代理店では限界がある

①の話と多少重複しますが、代理店側の広告運用者としても、事業成長にコミットできる深さと広さにも限界があると感じてました。

具体的には以下のような課題感です。

範囲 課題点
広さ その他WEBマーケ施策・業務の選択性
深さ 情報不足による事業課題の理解度

代理店・事業サイドに関係なく、そもそも広告運用者を含めたWEBマーケターの仕事は事業利益を伸ばすことです。

そのためWEBマーケターの業務領域は、何も広告運用だけでなく多岐に渡ります。

  • サービス/商品そのものの改善
  • クリエイティブ企画
  • CRM

代理店での運用者としてはWEBプロモーション領域に特化しているため、そもそもの事業課題がプロモーション以外だった時に中々価値発揮しづらい側面もあります。

だからこそ、自分の価値発揮できる範囲が限られてしまうと感じてました。

また代理店側である以上、クライアント側のビジネスに関して断片的なところしかどうしても見れないです。

手にできる情報に限界があるため、事業を伸ばすための課題理解も事業側の人に比べて浅くなるのではと感じていました。

だからこそ、事業会社に移ることで事業課題の解像度を上げ、状況に応じて適切な施策を打てるようになりたいと思い転職を決意しました。

広告代理店では全体的なWEBマーケ業務をする方法

もちろん、広義のマーケターとしての業務を代理店にいながら経験することも可能です。

それは、自社をWEB広告代理サービスと見立てて動くことです。

  • クライアントのWEBマーケの困りごとや課題は何なのか?
  • 課題に対して広告代理店としてどう価値提供していのか?
  • 他の広告代理店と比較してどの領域や手法で差別化するのか?

このように考えてみれば、WEBプロモーション・運用という枠に縛られることなく縦横に自分の業務領域を広げていけると思います。

ちなみに最近は、代理店側でもクライアントへ人材を派遣して駐在させるやり方を取るようになってきてるそうです。

コンサル会社であるようなやり方がWEB業界にも流れてきています。

このやり方であれば、予算(広告費)に縛られずに事業課題にもコミットできるような動きが取れるようになるかもしれません。

広告費削減やインハウス化は進んでいますが、やはりWEBプロモーションのプロである代理店の価値は無くなりはしないと思います。

代理店だから将来性がないと言ってる訳ではありません。

まとめ

代理店で部長まで昇格した僕が転職した背景をまとめてみました。

まとめると、WEBマーケターとしての自分の在り方を考えた時に、スペシャリストとして生きていくよりかは、ジェネラリストとして縦横に自分のバリューを広げていきたいと思ったのが転職に至った想いです。

この記事が今WEBマーケターとして仕事をしている方の何かしらの参考になれれば幸いです。